健茶園について
Our Story
京都府南部で、農薬や化学肥料に頼らず、お茶づくりをしている茶農家です。
私は、代々続く茶農家の生まれではありません。20代の頃、仕事やボランティアを通してさまざまな国や地域を訪れ、多くの人々と出会いました。その中で、いつしかお茶と農業に心惹かれるようになり、地元・京都へ戻って一代目の茶農家となりました。
旅先では、一杯のお茶を囲むことで自然と会話が生まれ、お茶には人と人を繋ぐ大きな力があることを感じました。また、世界中の人々の暮らしを支える農業という営みにも、深い魅力を感じるようになりました。
「お茶と農業を通して人と人がつながり、心豊かな時間が生まれる世界をつくりたい」
その想いを胸に茶農家の道を志し、お茶づくりを始めました。
現在は、京都府南部の小さな茶畑で、自然と向き合いながら日々お茶を育てています。
ここからは、私がお茶や農業と出会い、茶農家になるまでの歩みを簡単にご紹介します。
海外での経験
20代の頃、私はさまざまな国や地域で生活をする機会に恵まれました。学生時代にはカナダへ語学留学し、フィリピンでは貧困地域の子どもたちを支援するNPOの活動に参加するため、何度も現地を訪れました。
その後、南米パラグアイでは2年間、教育支援に携わり、さらにドイツでは約1年間生活し、そのうち8か月間はアフリカや中東の子どもたちを支援する国際支援団体で活動しました。
当たり前ですが、世界には多様な文化や価値観、暮らしがあります。そして、何気ない日々の会話や食事、暮らしの積み重ねの中で、人と人との関係は自然と育まれていきます。どこの国でも、人をつなぐのは特別な出来事ではなく、何気ない日常そのものであります。
そうした経験を通して、人々の日常に寄り添うお茶や、暮らしの根幹を支える農業の価値について、自然と考えるようになりました。
お茶との出会い
私は、お茶の産地として知られる京都・宇治で生まれ育ちました。
幼い頃からお茶が大好きで、父から「茶坊」と呼ばれていたほどです。私にとってお茶は、今でも特別なものではなく、いつも暮らしのそばにある身近な存在です。
世界のさまざまな地域で生活するなかでも、お茶が人々の日常に寄り添い、人と人をつないでいることを感じました。
パラグアイには、「テレレ」と呼ばれるマテ茶を、一つの容器で回し飲みしながら、家族や友人との会話を楽しむ文化があります。日本の茶道とは異なる形ですが、お茶を囲み、同じ時間を分かち合うという点には、通じるものがあるように感じました。
また、ドイツやオーストラリアでは、出会った方々に抹茶を点て、一緒にお茶を楽しむ機会が何度もありました。言葉や文化が違っていても、一杯のお茶を囲むと心がほぐれ、自然と会話や笑顔が生まれます。そうした時間を通して、お茶が持つ人と人をつなぐ力を実感しました。
日本では、地元・宇治の老舗茶店で約1年間働く機会をいただき、本格的にお茶について学びました。そこで、昔から毎日のように飲んでいた身近なお茶にも、品種や産地、栽培方法、製法によって異なる味わいや文化があることを知り、その奥深さに魅了されました。
心を込めておいしいお茶をつくり、その一杯から自然と会話や笑顔が生まれていく。
そんな心豊かな時間を、一杯のお茶から世界中にもっと増やしていきたい。
その想いが、健茶園のお茶づくりの原点となっています。
農業との出会い
さまざまな国や地域を訪れるなかで、どこでも共通して人々の暮らしを支えている営みがありました。
それが、農業です。
次第に農業への関心が深まり、帰国後は農業学校で半年間学びました。そこで出会ったのが、自然の循環を大切にするオーガニック農業でした。
さらに学びを深めたいという想いから、オーガニック農業が広く根づいているオーストラリアへ渡りました。8か月間で9軒のオーガニック農家に住み込み、それぞれの農場で農作業を手伝いながら、自然とともにある農業や暮らしについて学びました。
農場では、農家の方々だけでなく、世界各地から集まったボランティアとも、毎日一緒に働き、食卓を囲み、暮らしをともにしました。
それぞれの文化や価値観は異なっていても、自然を尊重し、人とのつながりを大切にする姿勢には共通するものがあり、多くの学びを得ました。
現在は、オーストラリアで学んだ考え方や経験を大切にしながら、農薬や化学肥料に頼らず、京都の茶畑で日々お茶づくりに取り組んでいます。
そして、私自身が農業を通して世界中の人々と出会えたように、お茶や農業を通じて、人と人がつながる場所をつくりたいと考えています。
茶畑では国内外からボランティアを受け入れ、ともに働き、ともに学び、同じ食卓を囲む時間を大切にしています。お茶づくりだけでなく、そこで生まれる出会いや交流もまた、健茶園が育んでいきたい大切なものの一つです。
世界で出会った人たちとの時間が、私のお茶づくりの原点です。
一杯のお茶を囲んで、大切な人との時間が生まれたり、新しい出会いが始まったり、久しぶりに会った人と笑顔で語り合えたりする。
そんな時間を、京都の小さな茶畑から、皆さんへ、そして世界へ届けていきたいと考えています。